カボチャの種を蒔きました。
当社では、アク抜きしたクン炭に瓜類の種を蒔きます。
30℃でまる2日おくと、根が2~3cm伸びた状態になります。
会社ではこれを芽出しと呼んでいますが、正確には根出しですね。
ところで皆さん、どうしてカボチャの種の根(瓜類全般も同様です)は、このように強くくの字に曲がって出てくるのでしょうか?
それは、瓜類はこの強力な皮を脱がなければならないという宿命があるからです。
なぜ、強力な皮なのか。
瓜類は果肉の中に種を作り、動物が果肉と一緒に種を食べることによって種を運んでもらい、糞と一緒に種を蒔いてもらいます。
その時に、強力な胃酸によっても消化されないさらに強力な皮で被われているので、種は生き延びることが出来ます。
しかし、その強力な皮が発芽の時にはネックになります。
この強力な皮を脱ぐのが大変なのです。
そして、この皮を脱げないと、光合成が出来ないので、死んでしまいます。
この皮を脱ぐための仕掛けが、この強力にくの字に曲がった形にあります。
当然、根は下に向かって伸び、首元が地面すれすれに出てきて、問題の双葉は、種が土の中に埋まった状態から、この皮を土にこすりつけて、皮を脱いで出てきます。
この性質を知らない人が、この根の出た種をポットに植えると、種の上にかかっている土が少なすぎて、皮を脱げずに外に出てしまい(皮っかぶりと呼んでいます)、
双葉は身をよじって皮を脱ごうとしますが、脱げかかっていればそれで脱ぐことが出来ますが、しっかりかぶっている場合は脱げずに、やがて枯れてしまいます。
ですから、この種の部分をしっかりと土の中に入れてあげる必要があります。
深さは、首が外に出るすれすれが良く、深く植えてしまうと、2日ほど出るのが遅れたりします。
私の考えでは、この首元で光を感知し、双葉に光合成が出来る準備(葉緑素を作らせる)を開始させ、日陰ではないので他の植物との日光獲得競争に参戦するため、もやしのように伸びなくて良いという情報を与えるので、しっかりと根を張ってから外に出てくるように思います。
このように、種をしっかり穴の中に入れて首元を出して植えると、皮を脱いで双葉が緑色になって出てきて、揃いも良くなります。
特に、スイカの種は皮を脱ぐのが下手で、かつ皮が硬く、土が薄いと皮を脱げずに出てきてしまい、出たてなら皮が湿っているので脱がせやすいのですが、乾いてしまうとカチンカチンになり、無理矢理脱がせようとすると、葉が切れてしまいます。
スイカは、双葉が出始めの時、棒で皮をつついて、皮が地面の中にいる時に脱ぐ手伝いをしてあげると、きれいに脱げます。