長年、育苗や野菜栽培をしていますが、肥料がこれだけ作物の成育に害を及ぼしているということを、改めて知りました。
この写真は、接ぎ木用にスイカ種を蒔いて、13日目の写真。
100粒蒔いて、42しか発芽しておらず、しかもひどいばらつき。
クン炭の上に種を置き、その上に育苗培土をかけた苗です。
当社で作成した育苗培土が、肥料分が強すぎて他の苗に成育不良が出たので、
同じやり方で種を蒔き、かけ土はクン炭を薄く種が隠れるように被せ、その上から同じ育苗培土をかけてまき直してみました。
種に育苗培土が触れないようにして蒔いたのですが、結果は驚きでした。
同じ種を6日遅れで蒔いた7日目の写真ですが、揃った苗が9割以上確保出来て、驚きです。
下側は肥料分のないクン炭で、肥料の強い培土が種に触れていただけなのに、こんなに成育不良か出るとは。
よく、農家で肥料を株元に追肥をして苗を枯らしたり、植え穴に肥料を入れてその上に苗を植えて枯らす方がおり、よく注意をしてきたのですが、
育苗培土でもその現象があるとは、驚きの発見でした。
植物は、浸透圧を利用して根から水を吸い上げますが、根の外側の肥料分が濃いと水を吸うことが出来ず、逆に流れ出してしまいます。ちょうど、ナメクジに塩をかけたような状態になります。肥料がある所に根を伸ばしていくのは根の方で調整できるのでいいのですが、根のある場所に強い肥料を与えるのは害になります。