カラシナ 辛神(からじん)

「辛神」は土壌中の病原菌や有害線虫を減らす有効成分 (グルコシノレート)を豊富に含む品種です。

ジャガイモ黒あざ病、ホウレンソウ萎凋病、トマト青枯病、サツマイモ紫紋羽病などの被害の低減が期待できます。
作物体が細断されて傷ついた時に、イソチオシアネートという活性のあるガスが生成され、市販の殺菌剤と同様の働きをします。

土壌の団粒構造の形成
透水性、土壌微生物の多様性の改善
有害線虫、土壌病害の抑制
保肥力の増大に

推奨播種量
  1a　140ml
  10ml　7㎡

1リットル 約700g

播種期　　　春播き　　秋播き
寒高冷地　5月~6月　8月下旬~9月上旬(年内すき込み)
 一般地 　3月~4月　10月中旬~11月上旬
西南暖地　2月~3月　10月下旬~11月中旬

栽培のポイント
●均一に播種してください。
地力や残肥が少ない圃場では、生育量を確保するため窒素成分で5~8kg/10a程度の施肥をお勧めします。
●施設内など残肥がある場合には、無施肥で栽培しますが、生育途中で辛神の生育が悪い場合は、直ちに追肥を行ってください。追肥量の目安は窒素成分で3~5kg/10aです。
●すき込み時の目標生草量は4t/10a以上です。(草丈は約1mが目安)

●「辛神」の生育量の確保の手段として化成肥料の施用の他に、「辛神」の播種時にヘアリーベッチを混播することもお勧めです。【混播割合】 辛神1~1.5kg/10a + ヘアリーベッチ0.5kg/10a

上手な利用方法
●すき込み適期は、辛神のグルコシノレート含量が最も高く、生草量が多くなる着蕾期～開花始期です。
●すき込みの際はフレールモアなどでできるだけ細断することをお勧めします。また、細断直後から分解が始まるため、できるだけ早くすき込んでください。フレールモア などで細断できない場合はロータリー2回がけをして土壌とよく混和します。
●すき込んだ「辛神」は水分の多い条件で有効成分のガス化が促進されます。

露地でのポイント
●天気予報を見ながら、降雨の前のすき込みをお勧めします。
●土壌中の分解を促進させて発生したガスをできるだけ土壌内にとどめるために、すき込み後の鎮圧をお勧めします。
●作物の播種(定植)は3~4週間後が目安となります。

ハウスでのポイント
●すき込み直後の散水を十分に行って ください。
●散水後は、ガスを土壌内にとどめておくため2週間程度ビニール被覆をしてください。ビニールを外した後、1~2週間後に播種(定植)が可能 になります。

栽培上のご注意
※周囲にアブラナ科の野菜がある場合は、害虫の発生が心配されるため「辛神」の栽培を避けてください。
※アブラナ科野菜の根こぶ病発生圃場では、「ヘイオーツ」をご利用ください。
※播種(定植)前に耕起を行う場合は、殺菌されていない下層土が混ざらないように表層のみを行ってください。

 

◎Q&A 緑肥をすき込んだ後のおく期間について